ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」日向役・須賀健太 × 影山役・木村達成インタビュー「舞台はナマモノ。僕らはそれを武器にしたい」


集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の大人気バレーボール漫画の舞台化、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」が、2015年11月14日(土)、東京(AiiA 2.5 Theater Tokyo)で開幕する。東京公演の後、大阪(シアターBRAVA!)宮城(多賀城市民会館 大ホール)を巡り、12月10日(木)には再び東京に戻ってくる。「漫画×演劇×映像のハイブリッドパフォーマンス」と銘打った注目作だ。
主役の日向翔陽(ひなた しょうよう)を演じるのは、子役時代から映画やドラマで主演をつとめてきた須賀健太。相手役の影山飛雄(かげやま とびお)は、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の舞台でも共演した木村達成が演じる。コミックス累計1400万部を発行する大人気漫画の舞台化に臨む思いを語ってもらった。

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」

――須賀さんは原作の大ファンだそうですが、『ハイキュー!!』に出演が決まった時のお気持ちはどうでしたか?

須賀:素直に嬉しかったです。一話目から欠かさず週刊連載を読んでいるくらい好きだったんですよ。だから、この作品に携われるとわかってすごく嬉しかったし、『ハイキュー!!』の世界に行けることにワクワクしていますね。

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」須賀健太

――主役の日向(ひなた)を演じることについてはどうですか?

須賀:むしろ俺は日向しかやりたくなかったです。もちろん魅力的なキャラクターはたくさんいるし、皆とてもカッコ良いんですけれども、日向は僕自身に一番近いなあと共感ができたので、日向しかないなと。役が決まった時には「よっしゃー!」って(笑)
木村:僕もそうですね。やるなら影山がやりたいと思いました。自分と似ているところがあるんです。目とか、ちょっとした言動とか、トゲトゲしてる感じとか似ている。健太も日向に目が似てるよね。
須賀:嬉しいわー!達成も、顔の感じが全体的に影山に似てる。だから達成が影山だって聞いたときはイメージが合ったので、「やべえ、俺もどうにか似せてかないと!」と焦ったよ!
木村:いやいやいやいや(笑)

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」木村達成

――大人気漫画ですが、原作漫画の魅力はどこだと感じます?

須賀:すごくストレートな漫画ですよね。「好きこそ物の上手なれ」というような。バレーボールが大好きな気持ちがこんなに伝わる作品はなかなかないなと思う。全員が全員バレーボールが好きで「うまくなりたい、勝ちたい」という気持ちを持っていて、だからこそ彼らの言葉がとても響く。心を表現している台詞がどれも良いんです。
木村:読みはじめたら止まらないんですよ!早く次を読みたくなるし、心打たれるし、読む手が止まらない。
最初の方のシーンで影山が「『諦めない』って口で言う程簡単な事じゃねぇよ」と言うんですけれど、それってバレーボールを遊びでやっている人には絶対口にできない言葉。真剣に、本気でバレーボールに取り組んでいるんだという熱い姿勢が描かれていたので、そこにも凄く心を打たれました。考えさせられるようなシーンがいくつも出てくる。
須賀:俺、1巻につき3回泣くんですよ。漫画で泣いて、アニメの同じシーンで泣いて、サントラ聞いて泣く。サントラもめちゃくちゃ良いんですよ~。泣きます!
木村:じゃあ俺も3回泣きます。
須賀:無理に泣かなくていいよ(笑)

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」

――特にお気に入りのシーンはどこ?

木村:僕は最初に二人が出会うシーン!影山が日向に向かって、「1回戦も…2回戦も…決勝も…全国も…」
須賀・木村:「勝ってコートに立つのはこの俺だ」!
木村:そう!その台詞がほんとに痺れた。カッコ良いなこいつ!って思いましたよ。試合のシーンも良いですけれど、あのシーンは堂々たるものを感じる。
須賀:あそこはずるい!カッコ良かったよ影山!だってその時の日向はトイレでずっとお腹壊して震えてるんだぜ。
木村:同学年とは思えないね(笑)
同じ男として悔しいですけど、超カッコ良い。あのシーン好きです。
須賀:僕は一番最初に二人が味方としてコートに立つ試合で、影山が日向にトスを上げるシーンが好きかな。トスを迷う影山に日向が「影山!!!居るぞ!!!」って叫ぶところがもうめちゃくちゃ良かったですよ。そのあとトスをくれた影山に対して「おれにとってはどんなトスだってありがたぁ~いトスなんだ!!」って言う日向がカッコ良い。作品のなかには日向の無鉄砲さがすごくカッコ良く映る瞬間が散りばめられていて、その一番いい例だと思っています。そこから影山も日向を少しずつ意識して、二人の歯車が合いはじめていく。あそこでも3回泣きました!
木村:じゃあ、僕もあそこで3回泣き・・・
須賀:「じゃあ」はいらないよ(笑)

――いつも須賀さんがツッコミなんですか(笑)

須賀:いえいえ、臨機応変です(笑)

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」

――お二人は和気あいあいとしていますね!普段はどんな話をしているんですか?

木村:共演した「NARUTO」(ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」)では、プライベートな話はとくにしてなかったかな。アクションのここをこうしようという話をずっとしてた。
須賀:どうすればお互いがカッコ良く見えるか、とかね。お芝居と同じでアクションも意思疎通が必要なので、ひとつひとつ作り上げていった。あとは、劇場でフェイスパックしてた。
木村:あー、なんかやってたね!面白いデザインのパック。
須賀:キャラクターの顔のパックをつけて二人で踊ってました(笑)そのキャラクターになりきって、写真とってツイッターにあげるの。
木村:楽しかったー!
須賀:本番前にはテンションあげなきゃいけないしね。
木村:リラックスするし。
須賀:お肌もリラックスするし、一石二鳥(笑)
木村:うまいこと言うなあ!

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」

――共演経験もあるお二人ですが、お互いの役者としての魅力は?

木村:舞台上にいる健太を一言であらわすと、大きい。初めて会った時から今まで変わらない気持ちです。
須賀:うわあ。今回もそう思ってもらえると嬉しい。頑張らないと!
木村:そんな健太に感化されたいな。だから健太が相手役で、本当に嬉しかったです。
須賀:前回の舞台で共演した時はアクションシーンが多かったけれど、今回はお芝居のシーンが多い。達成と台詞の掛け合いができるのは純粋に嬉しいし、楽しみだな。達成の魅力は、スイッチの入り方がすごくうまいことだよね。
木村:そう?
須賀:楽屋とか稽古場で、演技が始まる時のスイッチの入れ方がすごくうまい。見たいところで見たいものを見せてくれるので、俺も頑張らなきゃと思います。『ハイキュー!!』の日向と影山の関係性のように、お互いが影響し合っているのは間違いないですね。
木村:自分も健太に感化されながら、どんどん吸収していきたい。稽古だけでなく本番でも互いの新たな一面が見えてくると思うので、舞台上で目の前にいる健太と感じ合えたらいいな。

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」須賀健太

――漫画原作を舞台化することについてはどう思います?

須賀:今は漫画原作の舞台化が盛んで、とても自分たちの実力が試されるなと思いますね。ただ容姿が似ていればいいわけではなく、お芝居を通してお客さんに伝えなければいけない。もちろんキャラクターを通して伝えるんですけれど、そのお芝居がどれだけリアルかは舞台ならではの部分です。そこを作るのは選ばれた役者たちなので、力が試される場所ですね。
木村:そう聞くと怖いなぁ。
須賀:だってそうでしょ?(笑)
木村:プレッシャーに感じるなぁ(笑)
須賀:舞台はナマモノなので、僕らはそれを武器にできたらいい。原作の世界を表現することはもちろんとても大切ですけれど、100%お客さんに伝えるには、演じるうえでの疑問をなくしていきたい。自分たちが納得してお芝居ができないと伝わるものも伝わらないですから。まさに『ハイキュー!!』のように、達成を初めチームメイトの皆といろいろ思い合いながら舞台をつくれたらいいな。
木村:まずは、自分のなかに役を落とし込むために漫画を読みまくっています。
須賀:それ一番大事。

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」木村達成

――『ハイキュー!!』はバレーボールの話ですが、お二人はバレー経験は?

須賀:僕は中学の頃、バレーボール部だったんです。でも全然部活に行けていなかったし、2年生の時に辞めちゃったのでほぼ初心者なんですよ。
木村:幽霊部員か。
須賀:そう、俗に言う幽霊部員。一応「ピンチサーバー(ここぞという場面でサーブを打つための控え選手)」だったんですよ。
木村:野球でいう「抑え」だよね?
須賀:そう。部員が少なくて全員試合に出ちゃうから、僕ひとりだけピンチサーバーとしてベンチに残ってた。でも自分のチームが23点で相手がまだ10点台とかの、ミスしても大丈夫な状況で呼ばれるのよ。「ピンチを呼ぶサーバー」って言われていました。
木村:逆の意味だし(笑)
須賀:でもチームの子たちとはすごく仲良くて、みんな俺のサーブが全然入らないの知ってるからめちゃくちゃ応援してくれるの!それでチームの空気は良い意味で変わる。サーブがコートに入っただけなのに、みんな「よっしゃーーー!!」って。
木村:(爆笑)
須賀:だからバレーボールは初心者です(笑)
木村:僕は学校のスポーツ大会でやったくらいですね。得意なのかなあ。
須賀:達成は運動神経がすごくいいですよ。
木村:いやいや、まぁまぁだとは思いますけど・・・。でもバレーボールでおもいきり怪我したことがあるんですよ。アタックを打ったあとに体勢を崩して足首をひねってしまって・・・。
須賀:それ、これから俺が舞台上でやっちゃいそうなやつ・・・。
木村:ほんっとに注意して!
須賀:怖いわ。
木村:苦い過去です。

――本当に怪我がないように気をつけてくださいね・・・。最後に、観に来てくださる方へのメッセージをいただけますか?

須賀:僕がこの原作を読んで面白いと思った部分は、台詞であったり、皆で取り組むことの大事さやカッコ良さなので、そこは舞台にも色濃く出していきたいです。原作ファンの方にも楽しんでもらえるよう努力したい。でもやっぱり舞台ならではの、僕たちが目の前でナマでやれるからこその『ハイキュー!!』を見せられたらいいなと思います。普通に二人で会話しているシーンでも漫画と同じにはならないはず。役者の感情があるからこそ台詞や言い方が変わることもあると思うので、そこは変化として楽しんでもらえたらいいな。
木村:僕が原作を読んで心に染みた言葉だったり、いいなあと思ったところは、お客様にも伝えることができればとても素晴らしい作品になると思う。
須賀:ぜひ、楽しみにしてください!

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」は、11月14日(土)にAiiA 2.5 Theater Tokyoでの初日を皮切りに、大阪、宮城、そして再び東京にて上演される。演出は関西で注目を集めるウォーリー木下、脚本は劇団柿喰う客で大人気の中屋敷法仁がつとめる。

◇須賀健太(すが・けんた)プロフィール◇
1994年東京出身。99年から子役として活動を始め、2002年のTVドラマ「人にやさしく」で注目を浴びる。2004年「雨鱒の川」で映画に初出演し、大ヒット作「ALWAYS 三丁目の夕日」で広く知られるようになる。初主演作「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後「死にぞこないの青」「釣りキチ三平」でも主演を務めた。TVドラマでは「新撰組 PEACE MAKER」に主演している。

◇木村達成(きむら・たつなり)プロフィール◇
1993年東京出身。2012年にミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン、海堂 薫役でデビュー。持ち前の運動神経の良さと熱い演技、眩しい笑顔で人々を魅了している。2015年のライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」では薬師カブトを演じ、我愛羅役の須賀健太と共演している。

ヘアメイク:アトリエレオパード
スタイリスト:立山功(須賀さん)、部坂尚吾(木村さん)
(木村さん衣装)(※すべて税抜き価格)
コート¥16,000(URBAN RESEARCH / URBAN RESEARCH 03-6434-9940)
シャツ¥40,000(ALEXANDER OLCH / ADAM ET ROPÉ 0120-298-133)
パンツ¥18,800(MASTER&Co. / MACH55 Ltd. 03-5413-5530)

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