舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」山口大地にインタビュー!「二つの作品がぶつかり合って生まれる“何か”を目撃して」


カプコンの人気ゲーム『戦国BASARA』『Devil May Cry』が、舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」で初コラボレーションを果たす。謎の遺跡に現れた悪魔を追って、『Devil May Cry』のキャラクターたちが戦国時代へ。そこで『戦国BASARA』の武将たちと出会う――。すでに9作の舞台が上演され、ファンを多く持つ『戦国BASARA』と、初舞台化となる『Devil May Cry』。それぞれのゲームのキャラクターたちが一つの舞台でどう絡み合っていくのか注目だ。本作で、『戦国BASARA』の主人公・伊達政宗役の山口大地に公演に向けての心境を聞いた。

舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」山口大地

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――山口さんは前回の舞台『戦国BASARA4』が初参加だったんですよね。出演してみての感想は?

前回の『戦国BASARA4』で初めて伊達政宗をやらせていただきました。そのときの感想は……ひと言ではなかなか言い表せません(笑)。役者としても、人としてもかなりこの作品に成長させていただいたというか。初めての経験がたくさんありました。大きなステージで演技をすることもそうですけど、殺陣も初めてで、かなりレッスンをつけていただいたんですね。それを多くの皆さんに観ていただいて。その反響を聞くと、やり遂げたというか、自分のなかでも達成感みたいなのがありましたね。

――山口さんは映像のご経験が多いですものね。

そうなんです。映像のほうが多くて。あのとき舞台は『劇団、長靴をはいたアカサカ』『美女と魔物のバッティングセンター』くらいしかやっていなかったので。そういう意味では、映像のときに感じた楽しみ方、苦しみ方みたいなものが、舞台では全く違っていたから。そこを経験できたことが自分を大きくしてくれたと思いますね。

舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」山口大地

――舞台のなかでも、『戦国BASARA』は特殊な舞台だと思います。いわゆる2.5次元ステージと呼ばれるものですが、そのなかでもゲームの動きをあそこまで再現することに特化した作品はないですよね。

殺陣の手数が半端じゃないんですよ。3時間の舞台で4400以上もあった。それだけの手数をステージでこなすのは、体力的にも精神的にも、かなり苦しかったです。

――ゲームそのままの衣裳で。

そうですね。原作のゲーム通りの衣裳でないと。でも、実際はすごく動きづらかったりするんですよ。ゲームではできることも、現実に動くとなるとできないことがすごくあるんですよね。
だから、「ここはこういうふうに工夫しないといけないな」とか、「これはちょっと無理だから、こういうふうにクリアしよう」とか。こういうことはけっこう多かったですね。原作のゲームを好きな方たちが、三次元になった舞台を観て否定されないように、しっかり作り上げていく。スタッフ、出演者みんなで必死に作っていましたね。

――かなり話し合いながら作っていたんですか?

男が多かったから、真面目に話し合うというよりは、ざっくばらんな感じですけど。「これだったら出来るんじゃない?」って、武器を作っている方や美術さん、衣裳さんたちがちょっとした工夫をしてくれたことで凄く動きやすくなったりしました。原作があるから、かつら一つにしても、見比べると違うんじゃないかってことになる。僕は眼帯をつけているんですけど……

――眼帯付けての動きもかなり大変ですよね。

稽古の段階から常に眼帯をつけてやっていました。それでも、稽古場の明るいところでやっているときの殺陣の距離感と、舞台の暗いなかで照明が入るときでは、また空間の距離感が変わってくるので戸惑いました。常に調整しながらやっていました。なんなら本番に入ってからも(笑)。アンサンブルさんと動きの相談を。全部で27公演あったんですけど、初日と大千秋楽では細かいところですがかなり変わってたと思います。

舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」山口大地

――そして今回、『Devil May Cry』と新たなコラボです。

『戦国BASARA』はすでに舞台をやってきていて、そのなかでの歴史があるんですけど、今回はいろんな意味でリニューアルというか。新しく『Devil May Cry』と関わるし。だから、今までにこだわって大事にするよりも、一度全部取っ払って、新しいものを作っていくってスタンスでやったほうがいいと思っています。これまで舞台『戦国BASARA』を観てきた人たちにも「こういう見せ方があるんだ」とか、「こういう関係性があるんだ」とか、新鮮な気持ちで見せられたらと思います。

――これまでの作品にとらわれずに。

そうですね。今回僕らがいちばん大事にしていかなきゃいけない部分かなと。とらわれとか、かくあるべし、みたいなことは取っ払って、一からみんなで作っていくっていうスタンスが、いちばんいいんじゃないかなと思います。

――今回の舞台で、こう見せたい、こんなことに挑戦してみたいとかありますか?

『戦国BASARA』と『Devil May Cry』の世界観のぶつかり合いは、これまでにない新しいものを生み出すと思うので、そこで僕らがまた成長する、新しい『戦国BASARA』も感じていただけたらなという気持ちでいます。今回の作品に関しては、どうなるのか、まだ脚本はいただいていないので、僕自身まったく想像できないんです。ですが、これから稽古場で、それぞれのゲームのアクションに対する意識を高めつつも、気づきというか、その場で生まれたものを大事にして、自分たちにしかできない世界観の作品を作り上げていけたらいいですよね。

舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」山口大地

――脚本はまだなんですね。

そうなんです。誰が敵で、誰が味方かってこともまったく分からない状況です(笑)

――それでは、『Devil May Cry』のキャラクターと敵ではなく、一緒に戦うのかもしれない?

この間、鈴木拡樹さん(『Devil May Cry』ダンテ役)と話していて、タイトルに「VS」という形がついているものの、もしかしたらタッグを組んで誰かを倒しにいくとか、キャラクター同士で意気投合するとかあったら面白いよねって話をしました。

――伊達政宗とダンテは、意気投合しそうですか?

そうなる可能性は大いにあるんですけど…ただ、伊達政宗のキャラクターを考えると、善悪は剣を交えて判断するタイプなので、言葉だけ交わして仲良くなるとかはまずないんじゃないのかなと。だから戦うでしょうね。突如現れた訳の分からない人間を最初から信用しないと思うので…。

――ダンテと剣を交える?

ダンテがどんな人間なのか判断するために、おそらく政宗のほうから斬り掛かる気がしますけど…今回そうなるかは、まだ僕も分からないです(笑)

――二人のバトルは見たいですね。

そうですよね。ゲームではもちろん見られないじゃないですか。それがまさか三次元で、現実になるっていう意味では、『戦国BASARA』『Devil May Cry』どちらのゲームのファンの方も舞台ファンも楽しみにしててほしいですね。なにより僕ら自身も楽しみにしています。

舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」山口大地

――鈴木さんとの共演は初めてですか?

そうです。

――鈴木さんにはどんな印象がありました?

鈴木さんと共演したことある方々からは、「天使のような人」だと話を聞いていたので、どんな方だろう?と思っていました。会ってみたら、ほんとその言葉通りでした(笑)。すごくふわっとしているイメージですけど、ちゃんと筋が通ってる。伝えたいことははっきり言葉にできるし、僕より年上なので、凄く頼りになる存在だなと思います。

――鈴木さんとはどんな話をされましたか?

僕たち今回の作品についての情報があまりにも少ないので(笑)、「どうなるんだろうね?」とか、「こうしていけたらいいね」とか。ただただ、しのぎ合っていきましょう、と。『Devil May Cry』からしたら、『戦国BASARA』が出来上がっている座組という印象を持っていると思うんですけど、実際に僕は前作が初めてですし。昔からいる方って、今回『Devil May Cry』ですけど吉田友一さんくらい。僕にとっては初めましての方が多いですし。それぞれあまり気負うことなく、みんなで楽しく、作品が激しい分、現場は和気あいあいとしたいね、と鈴木さんと話しました。

――稽古場はいい雰囲気になりそうですね。稽古中楽しみにしていることは?

僕自身のことでいえば、前回『戦国BASARA』入りしたばかりですし、僕もある意味一から臨みたい。ゲームをしてキャラクターの研究することはもちろん、もっとスキルアップした殺陣を見てもらいたいなと思っています。

――観に来るお客さんの反応が、ほんとうに楽しみですね。

どんなふうになるんでしょうね。それは僕ら次第ですもんね!
いろんな意見があると思うんですよ。ゲームで出来るアクションをそのまま僕らがすることは不可能。声優さんの声をそのまま役者が真似してもそれはリアルにならないわけです。だから2.5次元の舞台は、賛否両論あると思う。そういうなかでも、どこまで皆さんを納得させることができる舞台になるか。苦労すると思いますけど、稽古のなかで、みんなで作り上げていきたいです。

――100%再現する必要はないんですよね。原作を大事にしつつ、それを演じる役者さんの何かが出てこないと。

そうなんです。舞台は、出来ることが限られていることがある意味面白いのかなと。CGとかが発達してるいま、映像では色んなことが出来て当たり前だけど、ここまでよくやったなとか、原作とはなんか違うんだけど、凄い魅力を感じるとか、そういった部分を感じてもらえるのが生の舞台。そこが魅力だとも思うんですよね。

舞台「戦国BASARA vs Devil May Cry」山口大地

――最後に、公演を楽しみにしている皆さんへメッセージを。

二つのゲームの全く違う世界観、時代背景も違う作品がぶつかり合うときに、必ずそこに“何か”が生まれると思うんですよね。僕も現段階でそれがなにかは想像出来ないですけど、みなさんに目撃者になっていただけたら。僕らは、ただただ誠実に、実直に一生懸命に、舞台上から皆さんにそれをお届けしようと思っていますので、とにかく楽しみにしていてほしいです。どうなるのかな……ほんとうに今はわからないですが(笑)、稽古場で最高のものを作っていきたいと思っていますので、ぜひ劇場にお越し下さい!

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◇山口大地プロフィール◇
1988年4月21日生まれ、鹿児島県出身。2011年、ドラマ『俺の空 刑事編』でデビュー。最近の主な出演作に、ドラマ『匿名探偵』『町医者ジャンボ!!』、映画『イン・ザ・ヒーロー』、舞台『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』、朗読劇『私の頭の中の消しゴム7th letter』など。

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