舞台『戦国BASARA vs Devil May Cry』鈴木拡樹インタビュー「男がほれる男・ダンテの魅力を見せる!」


ゲーム発売10周年を迎え、すでに9度の舞台化で多くのファンを持つ『戦国BASARA』シリーズと、全世界シリーズ累計出荷1400万本を誇る『Devil May Cry』シリーズ。このCAPCOMの人気ゲーム2作が舞台で初コラボレーションする舞台『戦国BASARA vs Devil May Cry』がこの夏上演される! 舞台初登場となる『Devil May Cry』の主人公・ダンテ役を演じる鈴木拡樹が、公演に向けての意気込み、期待を語った。

『戦国BASARA vs Devil May Cry』鈴木拡樹

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――『戦国BASARA』と『Devil May Cry』のコラボレーションということで、かなりの期待が寄せられていますね。

舞台『戦国BASARA』として、前作までの作品の良さを理解したうえで、さらにもう一段階上へ積み上げていこうと。きっと、そういう思いもあって、今回の企画にしたのかなって思うんですよ。華やかな作品のぶつかり合いを楽しみにしてほしいです。

――舞台『戦国BASARA』はこれまで観たことがありましたか?

じつは観に行ったことはないんです。知り合いの役者さんも多く参加されている作品で、観に行こうとは思っていたんですが、毎回僕が出演する舞台と公演時期がかぶってしまって・・・。でも出演者からは、いろいろ話は聞いていました。武器が特殊なものが多いですし、二刀流もありますし。アクション満載の舞台をやってるのはすごいなって思っていました。

――『戦国BASARA』はゲームの世界がそのまま実写されている感じが素晴らしくファンも多い人気作です。そこにさらに『Devil May Cry』が加わるわけですから、役者の演技だけでなく、最近は映像が駆使された舞台も多いですし、いろんな演出が盛り込まれた作品になりそうですね。

どうなんですかね・・・。今回は演出が宇治川まさなりさんに変わりますし、テイストも少し変わってくるのかもしれないですけど。明らかに二つのアクションゲームが入り交じる作品ですから、アクションは間違いなく見どころですね。とはいえ・・・実はまだ台本もいただいていなくて、僕もストーリーはもちろん知らないですし、あまり情報がないんです(笑)。作品として『Devil May Cry』というのはゲームをしたり、映像資料をいただいたりして調べています。『戦国BASARA』はすでに舞台になっていますので、なんとなく路線は見えているんですけど、そこへ『Devil May Cry』が入ってどういうものになるか、まだ想像しながら楽しんでいる状態です。

『戦国BASARA vs Devil May Cry』鈴木拡樹

――ご存知の通り、二つとも大人気のゲーム作品です。鈴木さんはあまりゲームをやっているイメージはないですが・・・。

一般的によく知られているゲームをやるくらいです。でも実は『Devil May Cry』は、友達が大好きで、薦められてやってたんですよ。だから、逆にプレッシャーで。役作りは友達に手伝ってもらおうかな(笑)。

――ご縁があったんですね!

すごいんですよ『Devil May Cry』は!主人公のダンテがスタイリッシュでかっこいいアクションをするんですけど、プレイする人間は簡単な操作でいいんです。簡単な操作でカッコよく動いてくれるからハマりますよ(笑)。それも自分がやってるような感覚になったりして。そういった楽しみもあるんですが、ゲーム通に向けた、難しいミッションもある。上手くバランスが取れているゲームだなと思います。気持ちいいですよ、プレイすると。最近は、パソコンでもダウンロードしてプレイできるようなのでぜひ!(笑)

――わかりました(笑)でも、今回鈴木さんが演じられる『Devil May Cry』のダンテって、ゲームやアニメではかなりごつい感じに描かれていますよね。これを鈴木さんが演るの・・・?って印象を持たれる方もいるんじゃないでしょうか?

そういう方もいると思いますね。舞台だからこそですね。舞台なら、大きく動いて大きく見せるって方法論があります。身長が低くても大きく見せることができるし、身長が高くても小さく見せることは芝居次第で可能だっていうことは今までやってきましたから。ビジュアルどうこうはあるのかもしれないけど、今回、一発目できっちり作品の世界観のなかでダンテらしさ、彼の魅力をお見せできれば、その後は違和感なくそういうふうに見ていただけると思うので。だからこそ最初が肝心で繊細に作っていこうと思っています。

――鈴木さんが思うダンテらしさ、はどういうところでしょう。

僕が思うに、「男でもほれる男」というのが魅力だと思いますね。おちゃらけていながら、大人でもあり、色気も感じるし…本当かっこいいですね。男から見ても。

――「男がほれる男」を演じるっていうのも…

そこもまたひとつプレッシャーですね(笑)

『戦国BASARA vs Devil May Cry』鈴木拡樹

――鈴木さんって、ファンの皆さんからよく「天使」って言われていますよね。普段の姿もさわやかで清廉なイメージで。でも、その印象が強いだけに、実は裏には悪魔的な一面があるのかも…なんて想像をしている人も多いはず(笑)。今回のダンテにはそんな想像の一面が登場しそうな感じがするのですが。

そうですね(笑)。それっぽく見えない人のなかに一瞬闇が垣間見えたりするとドラマティックですよね。ここ数年、裏に闇を抱えた人物を演じることが多いんです。デビューしてからしばらく正義側の人物を演じることが多かったりしたことで、皆さんが思っているイメージのような役をいただけてるのかも。そういう意味ではいままでの積み重ねが生かされているんじゃないかなって思います。

――『風魔の小次郎』の麗羅から始まって。

そう。だからこそ、いまできるものなんだと思って。これは今までの芸能生活のなかで手に入れた僕のジャンルなんだなって思う。

――演じて来られた役柄の振り幅はすごいと思います。

でもそれは、冒険して僕にその役を振ってくださった方々のおかげですけどね。「この役やらせてみたらどうだろう?」っていう方がいたからだという…。良い出会いに恵まれたんだと思います。感謝していますし、つくづく運がよかったんだなって思います。

『戦国BASARA vs Devil May Cry』鈴木拡樹

――舞台に向けて、準備していることがあったら教えてください。

台本もまだですし、スタッフ、キャストとも顔合わせ前なんですが、映像資料とかを見てイメージしたり、ゲーム内にでてくるトリッキーな技が実写で可能なのかというアクション部分の検証は始めています。仮の道具を使っての検証は楽しいですね。それをもとにこれぐらいできたらアクションの時に楽だろうなっていうことを準備しているところです。まだ僕はお会いしていないですが、アクション監督さんもゲームの技を見て、この技はこういうふうにやれば実際にできるんじゃないかっていうのを考えてくださってるみたいです。

――現段階でイメージしていることを教えてください。

いまは自分の役柄のことより『Devil May Cry』という作品についてイメージしています。というのも、今回の舞台では、確実にピンポイントでしか『Devil May Cry』の世界観が表現できないと思うんです。『戦国BASARA』とのコラボなので。舞台としてはいいんですけど、『Devil May Cry』としては、初めて舞台で見せるわけなので、かなり不利な条件なんです。そのなかで戦うために、僕たちが作品の世界観をより理解していたほうがいい。

――『戦国BASARA』は、すでに9回舞台化されていて、その世界観はありますからね。『Devil May Cry』はそうではないですし。

そういう立場でいえば、時間はないし、足りないところも出て来るだろうなと思うんです。でも、次につなげる意識で臨みたい。今回上手くいけば、『戦国BASARA』も単独の舞台でやっているものなので、『Devil May Cry』も単独でやらせてもらえるようにしたいです。そのためには今回、どれだけ『Devil May Cry』の世界観を深くイメージして、稽古がスタートできるかなんです。すごく集中力が必要だろうなって思います。そして本番も重要ですよね。本番を踏んでみないと、どう見てもらえるのかって正しい答えは分からないから。自分たちが気付いていなかった部分が魅力だった可能性も大いにあると思う。創る作業と吸収する作業、かなりの作業になるだろうなって思います。

――『戦国BASARA』とどう融合していくのかも興味があります。

『戦国BASARA』と『Devil May Cry』がひとつの舞台に乗るからには、協力してひとつの世界観を作っていくんですけど、一方でそれぞれの世界観もあるのが魅力になると思うんですよね。お互いの世界観がちゃんと出て、それが上手く混ざった方が絶対面白いはずなんで。作品を作るときには、先にある1つのビジョンに向かって作り上げていくものだけど、今回に限っては、それぞれの作品を尊重するという考え方もありだなって思います。お互いに譲り合いしないほうがいい。やってみないとわからないですけどね。基本『戦国BASARA』の世界に、『Devil May Cry』のキャラが入っていくことになると思うので、引き込まれていった方がいいのか、それとも新しい『Devil May Cry』のカラーがストーリーを引っ張っていったほうが面白いのか。その辺りは台本がきてから、みんなで稽古してみて築いていくところなんでしょうけど。スタッフさん、制作さんサイドとも話し合って、全員で作っていけたらいいですね。

『戦国BASARA vs Devil May Cry』鈴木拡樹

――ちなみに、アクションは自信あり?

自信があるかと言われると…自信を持っているわけではないですけど(笑)。ただ、“エンターテインメント”として魅せたいですね。運良く、なのか、悪魔設定だったりするので、普通の人間ではちょっとできないようなことも可能ですから、やりがいはありますよね。ダンテは常人では持ち上げるのも大変そうな、重い剣を軽々と振り回せるのですが、それもこういうテイストの作品でないとできないことですし。『Devil May Cry』というゲームは、スタイリッシュ・アクションというジャンルということも意識して見せていきたいと思っています。

――まだ台本もないなかで、ここまで色々なことを考えていらっしゃるんですね。最後に、改めて公演に向けての意気込みを聞かせてください。

意気込み過ぎて、早く稽古に入らないと空回りしそうです(笑)。早くカンパニーのみんなに会いたいですね。僕個人でも色々と目標とか、やりたいことがありますけど、それはキャスト、スタッフそれぞれにあることだと思うので、早くみんなが考えていることを知りたいです。「その目標、面白いね」「みんなで目指そう!」ってものが見えて来ると、もっと熱いものができるんじゃないかなって。みんなで目指せる目標がたくさん見つかるといいなって思いますし、そんな希望ある作品をお客さんに観てもらいたいです。そして、アクションもあるエンターテインメントになりますので、お客様には本当に楽しんでもらいたいなって思います。生で迫力ある激突を観たら、まるでゲームをやっているときのような、高揚感を感じるんじゃないかと思います。

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◇鈴木拡樹(すずき・ひろき)プロフィール◇
1985年6月4日生まれ、大阪府出身。2007年、ドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー。2008年、初主演舞台『最遊記歌劇伝-Go to the West-』で注目を集め、以降、舞台、映画、バラエティ番組などで活躍。最近の主な出演作に、『眠れぬ夜のホンキートンクブルース第二章~飛躍~』『弱虫ペダル』、映画『なんでも埋葬屋望月』など。

◇舞台『戦国BASARA vs Devil May Cry』あらすじ◇
謎の遺跡に現れたという悪魔を追って、『Devil May Cry』のダンテ、バージルたちは動乱の戦国時代へ。そこで伊達政宗、真田幸村たち『戦国BASARA』の武将たちと出会う。果たして日ノ本でどんな物語が待っているのか…。

◇舞台『戦国BASARA vs Devil May Cry』◇
2015年8月20日(木)~30日(日)AiiA 2.5 Theater Tokyo
構成・演出:宇治川まさなり
原作:CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ、「Devil May Cry」シリーズ)
出演:鈴木拡樹、山口大地、南羽翔平、松村龍之介
伊阪達也、桜田航成、小谷嘉一
柴小聖、階戸瑠李
谷口賢志
吉田友一

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