『サンセット大通り』ベティ役の夢咲ねねにインタビュー!「“太陽”のようなベティを精一杯表現したい」


『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られる作曲家、アンドリュー・ロイド=ウェバーが1993年に発表し、1995年にはトニー賞で最優秀ミュージカル賞を始め合計7部門を受賞した舞台『サンセット大通り』。大きな話題を呼んだ日本初演から3年…あの名作が帰ってくる!7月4日(土)、赤坂ACTシアターにて開幕する本作に、夢を追う脚本家志望の女性・ベティ役で出演する夢咲ねねに話を聞いた。

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――とてもキュートな方でドキドキしています。まだ(宝塚歌劇団の)サヨナラ公演から3日しか経っていないのですが、今のお気持ちはいかがですか?

なんだか照れます、ありがとうございます(笑)。今日『サンセット大通り』の製作発表の舞台で歌わせていただくという事で、袖で皆さんの歌を聞きながらもずっと緊張していました。舞台上を歩く時も足が震えて靴が脱げてしまうのでは…どうしよう…と、心臓のバクバクが止まらなかったんです。

――平方(元基)さんとの歌唱披露ではとても堂々として可憐な歌声が素敵でした。退団後の初舞台が『サンセット大通り』に決まった時の感想を教えて下さい。

私は12年間宝塚歌劇団に在籍していましたので、その間は宝塚の事しか考えられず“宝塚まっしぐら”でやってきました。ですから外の舞台に出演させていただくということにまだどこか実感が持てずにいます。宝塚ではずっと同じ組、同じメンバーで舞台を作ってきましたので、星組の先輩であるノーマ役のとうこ(安蘭けい)さんとはご一緒させていただいた事もありますが、他の出演者の方たちとは初めましてで、どういう風になるのかまだ分からない事ばかりです。

――ベティの相手役、ジョーを演じる平方さんや柿澤(勇人)さんとはもうお話されましたか?

はい、製作発表で歌わせていただくという事で、お稽古の時にお話させていただきました。でも実は…緊張が凄くて、あまりお話の内容を覚えていないんです。

――男性と一緒に舞台でデュエットなさるのもほぼ初めてですし。

そうなんです!まず譜面や歌詞を間違えないように…そこに一生懸命集中して…でも緊張しました(笑)。

――今日の歌唱披露で歌われた「TOO MUCH IN LOVE CARE」は、ベティ的にドキドキしている場面のナンバーなので丁度良かったかもしれないですね。

確かにそうですね(笑)

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――夢咲さんはベティ役をどういう風に捉えていますか?

ノーマとジョーの場面がかなりミステリアスというか、ダークな雰囲気ですよね。それに対してベティは全く違う明るくカラっとしたキャラクターとして舞台に登場します。彼女の持つポジティブで太陽の様なムードをご覧になって、お客様も少しほっとしていただけるのでないでしょうか。ベティは若々しく夢を持って前向きに歩いていく…そんな生命力に溢れた女性だと思いますので、彼女のそういう部分をきっちり出していけたらと感じています。

――ノーマ役のお二人も全く違うアプローチで演じられると思います。

安蘭さんは星組の男役トップスターとして活躍なさっていて、私は後輩として“とうこさんに付いて行く!”とそのお姿を間近で拝見しながら沢山の事を学ばせていただきました。濱田(めぐみ)さんとは今回初めてご一緒させていただきますので、どういう役作りをなさるのか、これから近くで勉強させていただくのがとても楽しみです。

――ベティはノーマに対してネガティブな感情を持ちますよね。その辺り、宝塚の人間関係的にガツンと行けそうですか?

あ、そんな深い所を…(笑)確かに上下関係は厳しいですし、それは最初に(宝塚)音楽学校に入学した時にまず教えていただくことです。宝塚内での上下関係は崩せないものの一つでもあります。ただ、宝塚時代も舞台上では先輩にガツンとぶつかる役柄もありましたし、今回もオンとオフをきっちり使い分けて、作品の中ではアグレッシブに行こうと思います。

――初演の舞台をご覧になっていると先程の会見でおっしゃっていましたね。

はい、まず楽曲が素晴らしいと思いました。冒頭からジョーのソロまでの流れであっという間に『サンセット大通り』の世界観に入り込める所に打たれ、素敵だなあ、と。初演では宝塚の先輩・彩吹真央さんがベティを演じていらっしゃったのですが、男役さんだったとは思えない、とても可愛らしい役作りで、驚きとともに感動したのを覚えています。

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――アンドリュー・ロイド=ウェバーの楽曲は歌っていて気持ちがいいですか?それとも大変?

いや、それはもう大変です(笑)聴いていると本当に気持ちが良くてうっとりするのですが、実際に楽譜をいただいて改めて読んでいくと、見た事のない記号もあったりして…。

――まるで「暗号」みたいですね。

正に「暗号」です(笑)ちょっと見失うと、もうどこで歌に入れば良いのか分からなくなりますし、まだ“音符”のお稽古をしているようで、早く歌の表現として先の世界に行かなければと思います。

――演出の鈴木裕美さんとはどんなお話を?

この作品に出演させていただくことが決まった時に、いろいろな方から「お、最初が裕美さんなんだね(にやり)」みたいなモードでおっしゃっていただいたのですが、私自身まだ先生がどんなお稽古をなさるのか分かりませんのでドキドキしています。でも、とにかくビシビシしごいていただきたいです。

――多分、「先生」呼びからダメ出しされると思います(笑)

あ、そうなんですね(笑)宝塚ですと演出家の方とは「先生」と「生徒」の関係ですので、今回もお稽古場でつい「先生」と言ってしまいそうです(笑)

――夢咲さんはダンスも美しいと評判の娘役さんでしたが、今回はその華麗なお姿を見られそうでしょうか。

今回は残念ながらダンスの場面はなさそうですので、歌とお芝居にしっかり集中したいと思います。衣装も宝塚時代はファッショナブルなものを沢山着させていただいていたのですが、今回もベティが生きた時代のファッションをどう着こなしていくか注目していただけると嬉しいです。

――では最後に夢咲さんからのメッセージをお願いします。

宝塚を卒業しての第一作目という事でまだ分からないことも多いのですが、製作発表イベントで共演者の方々にお目にかかり、とても心強く頼もしい方ばかりだと改めて思いました。演出の鈴木裕美さんも、チームとして皆で創っていこうという雰囲気をもたらして下さる方で、このあたたかな状況の中でベティ役を演じさせていただける事をとても幸せに感じています。これまで12年間、娘役として宝塚で勉強し続けてきたことを活かしながら、新しい世界でも頑張っていけたらと思っております。どうぞ楽しみに劇場に足をお運びください!

女性なら誰もが憧れる雰囲気を持ち、こちらの目を真っ直ぐ見つめながら語ってくれる夢咲ねねの姿を見て「キュート」「可憐」と言う言葉はこの人のためにあるのだな、としばし夢の世界に身を浸す。

真っ直ぐに夢を追い、自らの恋心をストレートに出していくベティ役を「太陽」と評した彼女が舞台の上でどんな光を放つのか…開幕を楽しみに待ちたいと思う。

◆ミュージカル『サンセット大通り』◆

【東京公演】2015年7月4日(土)~7月20日(月・祝) 赤坂ACTシアター
【名古屋公演】2015年7月25、26日(土・日) 愛知県芸術劇場大ホール
【大阪公演】2015年7月31日(金)~8月2日(日) シアターBRAVA!

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