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タイタニック (2015年)

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タイタニック

“明日”は当たり前のように訪れるものではない。今この瞬間から自分がどう生きるべきなのか、そのヒントを与えてくれるのが『タイタニック』だ。

今回は2007年、2009年に上演されたグレン・ウォルフォード演出のブロードウェイ版ではなく、トム・サザーランドが演出するロンドン版での公演。ブロードウェイ版が「沈みゆく巨大な船」にスポットをあてた演出になっているのに対し、今回上演されるロンドン版では「船に乗った人々の群像劇」がメインテーマとして描かれており、再構成された場面も複数ある。例えばブロードウェイ版の冒頭で設計士・アンドリュースがタイタニック号の素晴らしさを語る場面は、船のオーナー、イスメイの裁判シーンに変わっており、被告席に立ったイスメイが、タイタニックに託した“人類の夢”を語るシーンから物語が始まるのだ。

人々の夢を乗せた巨大客船『タイタニック』にそれぞれの希望や未来を抱えて乗り込む乗客たち。ある者は自由な国アメリカで警官になりたいと願い、ある者は身分制度のないアメリカに渡って愛する相手と結婚したいと望む。ブロードウェイで本作が上演された際に約30名いたキャストが今回の日本公演では20名に減っているのだが、これは演出家の“意図”があってのこと。出演者の数が減った分、一人の俳優が一等客と三等客、船のスタッフと何役も演じ分ける訳だが、この事で「着ている服が違うだけで、一等客も三等客も、中身は皆同じ一人の人間なのだ」という作り手のメッセージが明確になるのだ。

タイタニック号の運命が決まった時、人々はそれぞれの行動を取る。救命胴衣を若い者に与え、自分たちはそこで静かに死を迎えようとする老夫妻、一等客室の乗客にシャンパンをサーブし、感謝の気持ちを伝える客室係、自らの判断を責め自死する者、最後まで電信を打ち続ける通信士。

本作の登場人物たちは、全く架空のキャラクターではなく、全員が史実に基づいて生み出されている。モーリー・イェストンによる、壮大でありながら繊細な音楽に身を任せ、ベテランから若手の注目株まで、今最も勢いのあるキャスト陣が演じる人々の群像劇にわが身を重ねて“明日”を想う。そう“明日”は当たり前のように訪れるものではないのだ。ミュージカル『タイタニック』は、今この瞬間から自分がどう生きるべきなのか、そのヒントを与えてくれる稀有な作品なのである。

タイタニック 詳細情報

主催
  • 梅田芸術劇場
公演
劇場
  • Bunkamuraシアターコクーン
  • 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
キャスト
スタッフ

『タイタニック』公式ホームページ

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