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キレイ-神様と待ち合わせした女- (2014年)

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キレイ-神様と待ち合わせした女-

何かが欠けて失って、異質で普通で、無様でも必死に生きる。それが“生きている実感”なのかもしれない。

2000年に初演し、2005年に再演された『キレイ―神様と待ち合わせした女-』は、大人計画主宰の松尾スズキが本格的ミュージカルに初挑戦した作品。設定やストーリー展開とともに、ブラックユーモアと純愛が同時に存在する混沌さが観る者に衝撃を与えた問題作だ。2014年12月、メインキャストを大幅に入れ替えニューバージョンとして再々演された。

舞台は、三つの国に分かれ、100年もの間民族紛争が続く“もうひとつの日本”。民族解放軍を名乗るグループに誘拐・監禁されていた少女が、10年ぶりに地上へ逃げ出した。過去を忘れた少女は、自らを“ケガレ”と名乗る。地上でケガレは、ダイズ兵(ダイズからつくられた兵士)の死体回収業で生計を立てているキネコたちと出会い、仲間に加わる。死んで回収されたダイズ兵は、食用として加工される。ケガレはそのダイズ兵加工会社の社長令嬢カスミと奇妙な友情で結ばれていく。戦場をうろつき、死体拾いで小銭を稼ぐ―そんなケガレの姿を見守るのは、成人したケガレ=ミソギだった。生殖機能を持った変種のダイズ兵・ダイズ丸、頭は弱いが花を咲かせる異能力を持つキネコの次男・ハリコナ、数年に一度しか帰ってこないキネコの夫ジョージ、誘拐・監禁することでしか女性と一緒にいられないマジシャンとの出会いの中、ケガレは忘れたはずの忌まわしい過去と対決していくことになる―。

松尾スズキの創り上げる世界は猥雑でエネルギッシュで、どこか飄々としている。物語の中には、物事の表と裏が背中合わせになったような概念が次々と出てくる。美と醜、陰と陽、生と死、絶望と希望、大人と子ども、天才とバカ…。何かが欠けて、相反する対象がぐるぐる回る。異質であることが“普通”の世界で、必死に生きている人の姿はどこか滑稽。多部未華子の無垢さの中に芯の強さを感じさせるケガレや、初演・再演でハリコナを演じた阿部サダヲをダイズ丸へ転身させるという松尾の采配も、ぴたりとはまった。少女の魂に一筋の光が指す瞬間は、まさしく“キレイ”。20曲を超える秀逸な楽曲に乗せて紡がれる、傑作ファンタジーだ。

キレイ-神様と待ち合わせした女- 詳細情報

主催
  • Bunkamura
  • 大人計画
公演
劇場
  • Bunkamuraシアターコクーン
  • ほか
キャスト
スタッフ

『キレイ-神様と待ち合わせした女-』公式ホームページ

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